聖書特別講座「イエスの言語、キリストの物語」
「イエスの言語、キリストの物語」
日時:2024年5月8日(水) 13時半~15時
講師:髙橋 洋成
(東京外国語大学フィールドサイエンスコモンズ特任研究員)

髙橋洋成先生は、聖書ヘブライ語とその周辺(東地中海のセム諸語)の研究などをされています。
今回の講座では、「イエスの言語、キリストの物語」というタイトルで、講演されました。
事前にくださった今回の趣旨説明で、
新約聖書はギリシア語で書かれました。では、イエスや弟子たちもギリシア語を使っていたのでしょうか?もし別の言語を使っていたのなら、なぜ新約聖書はギリシア語で書かれたのでしょうか?
イエスの時代、パレスティナ地方の言語状況を整理し、そこに生きた人々の言語生活に思いを馳せながら、この問題をご一緒に概観してみましょう。
と呼びかけています。
聖書特別講座
「イエスの言語、キリストの物語」
講演では、
・新約聖書の最古の形態は(現状)ギリシャ語写本だが、
「ギリシャ語ではない言葉」が、ギリシャ語の翻訳付きで書かれた箇所がわずかに存在する。
・例として
マタ27:46
「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。
マコ15:34
「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。
などを取り上げて、
新約聖書に見え隠れする「ギリシャ語ではない言葉」から、当日のどのような言語生活、あるいは、文章を作成・編集した人々のどのような意図が見えてくるか、について語った。
ガリラヤの訛りで話していた、イエスや弟子たちの息遣いを残すために、
敢えてギリシャ語ではない言葉として書き残したのかもしれない、
という視点は大変興味深いものでした。
新年度から、髙橋先生の連続講座が始まります。
講座名:髙橋洋成先生
「聖書の言語とキリストの物語」
開講日時:
5月13日(火) 13:30-15:00
6月3日(火) 13:30-15:00
7月1日(火) 13:30-15:00
講師メッセージ:
聖書の時代、聖書の地域には多種多様な言語が存在していました。
本講座では、イエスや使徒たちがどのような言語世界に暮らしていたのかを考えなが
ら、福音書に記された「キリストの物語」を読み解いてみます。
あまり肩肘を張らずに、専門知識のない方が楽しく参加できる講座を目指します 。