【メッセージ】2度目の緊急事態宣言を受けて(理事長 森 一弘)
5月30日までという2度目の緊急事態宣言がなされ、不要不急の外出を避けるようにという発表があった後、 正直、真生会館として、どのように対応すべきか、とても悩み迷いました。
4月の時の一ヶ月の自粛要請には、一日に感染者数も三桁であり、先行きの見えないことから、躊躇無く真生会館の休館を決断しました。
しかし、二度目の要請には、戸惑い、本当に迷いました。迷いながら、私の講座に関しては開講していくことを決断いたしました。以下の理由からです。
一つは、狭い家の中で、幼稚園にも学校にも職場にもいけない家族が、近くの公園に息抜きにいくことも出来ず、生活を共にすることの息苦しさに悲鳴をあげてしまう人々や、先が見えず、不安に覆われ、深い闇に包まれてしまう人たちの心の叫びが、私の耳に届くようになったからです。
また、6日のNHKの夜の番組で、ネットに飛び交うSNSをコロナとストレスをキーワードにした検索し、分析した学者の報告が放映されておりました。学者は、少なくない人が、かってない不安に覆われて、心の底から光を求めている、とその学者は説明しておりました。
また日夜、コロナヴィルスの感染の疑いの人々と向き合い、プレッシャーとストレスで疲れ切ったお医者さんから、時間を作って、現場を抜け出して、真生会館の空気に触れるだけでほっとする、という声も寄せられました。
政府の責任者たちの苦悩は、私にもよく分かります。
命を救わなければならない。感染を防ぎたい。だから、自粛を要請しなければならない。しかし、外出を抑えれば、経済活動は収縮する。多くの店の売れ上げは落ち、足腰の弱い店は、倒産していく。そうなると当然失業者が出る。生活を支える収入の目処が、完全に途絶えてしまう人々も少なくない。中には自らいのちを絶ってしまう人も出てくるかも知れない。経済活動が止まったら、国力は落ち、日本社会が沈没してしまう恐れもある。それも避けなければならない。
感染を防ぎ、いのちを救う。それも価値ある営みです。また経済活動を落ち込ませてはならない。なんとか支えようと工夫する。それも尊い行為です。
しかし、また、人はパンのみで生きるのではない。神の口から出る言葉によって生きる、というのもまた、人間の真実です。
この観点に立って、5月末まで、私の講座だけは、開講していくことを決断いたしました。勿論、コロナヴィルスの感染防止の対策を十分工夫するつもりです。また真生会館までおいでになる方々には、途中、十分の感染防止の工夫をしてくださるようお願いするつもりでおります。